本件は謎だらけ(というより闇)の事件です。
カテゴリは未解決事件としていますが、一応オフィシャルとしては解決済みの事件です。ただ、解決とされているシナリオを納得している人は少ないのではないかと思います。
本件をご存知ない方、ご存知の方それぞれにご意見やご感想をいただければと思います。
事件概要
日時:1989年2月28日
場所:福島県田村郡都路村(現田村市)の女性教員宅便槽
概要:便槽内にて男性が凍え兼胸部循環障害により死亡
女性教員Aさん(23歳)が自宅のトイレ(汲取式)に入った際、トイレの中に人の頭のようものと靴が見え、外の汲取口を確認すると人が入っていた。
その中に入っていたのは菅野直之さん(26歳)。
上半身裸で服を抱え、頭の上に自分の靴の片方を乗せ、凍え兼胸部循環障害で亡くなっていた。
女性教員のトイレに覗き目的で侵入し抜け出せなくなって亡くなったという結論がオフィシャルとなっている。
菅野さんの足取り
菅野さんが発見されるまでの足取りを以下に記載します。
- 1989年2月23日 友人の送別会に参加
- 1989年2月24日 10時ころ 菅野さんのお父さんが「ちょっと言ってくる」という声を聞く(姿は見ていない)
- 1989年2月26日ころ 亡くなった推定日
- 1989年2月27日 農協駐車場で鍵付きの車が発見される
- 1989年2月28日 18時ころ 発見、2回洗浄している
最後の目撃時から亡くなるまで約2日間と、かなり空白な時間があるようです。
疑惑
この事件にはいくつかの疑惑があります。
その疑惑について以下に挙げていきます。
そもそもどうやって入った?
便槽内に入るということで方法が謎ですよね…
内容を追求した週刊誌が掲載した有名な図がこちらです。
不気味ですよね。縮尺が少しおかしいので、より不気味さを出しています。
どうですか?これ、入れます??
菅野さんは169cm 69kgの体型とのことですが、36cmの幅から中に入ることは難しいと思います。仮に入れたとして、便器口側に頭を向けて図のような体勢を取れるでしょうか。
そしてもうひとつ、この体勢になれたとして、ここから戻ってこられるでしょうか?
入れたのなら体をこすりながら入ったと思われますが、体には大きな傷はなかったようです。
そもそも便槽は空だったんでしょうか…?
また、顔の上に靴があったとされています。が、この狭い空間でこの体勢で、顔の上に靴を置けるでしょうか。置く理由も不明です。
その靴も片方のみということで、もう片方は離れた古道川の土手で見つかっていることも謎です。
そして服を抱えていたようですが、それもよくわかりません。2月の福島ですから、相当の寒さと思われます。寒い中、上半身裸で覗き…どうも腑に落ちません。
このあたりがこの事件の謎とされる主な要因かと思います。
女性教員の足取り
菅野さんが発見された家の家主である女性教員Aさん。
菅野さんとも顔見知りで、いたずら電話で悩んでいたAさんの相談に乗っていたりと遠くない関係性だったように思えます。
そしてAさんは2月24日~実家に帰省しており不在にしています。
菅野さんが自宅を出たとされる日が24日ですから、侵入できたとしてもすれ違いまたは既に不在の家に覗きで侵入しています。確かに、長期帰省を知らなければ侵入時に不在だとしても待とうという気になるかもしれませんので、ここはそこまでの疑惑にはならないかもしれません。
ただ、第一発見者でもあるAさん、便器口から下を見た際に靴が見えたということですが(まず暗くて見えない気もします)、そこから外の便槽口に確認に行く、そして発見したあとは教頭先生に連絡したという話があります。教頭先生…?まず警察じゃないでしょうか。
村長選挙
避けて通れないこの問題。
結果は現職の村長が再選しましたが、その村長選がなかなかのグレーという話。
都路村は福島原発によってのお金が無視できない状況で、村長は原発推進派。この選挙戦では反原発派も立候補しておりかなり競った戦いとなった模様。
人望のあった菅野さんは応援演説もしており、現村長の応援をしていたようです。(菅野さん自身は原発関連企業(設備保守関連)に勤務していました)
ただ、かなりのお金が飛び交ったと言われる選挙戦に嫌気が差して応援を降りたという話もあります。
村長選挙とは少しズレますが、この年のはじめに原発関連の会社員が自殺しています。
前年に起きた原発事故(福島第二原発3号機)が原因とも言われていますが、いずれにしても原発安全神話に影を落としており、都路村でも原発推進に異を唱える人が出てきても不思議ではありません。
関係者のその後
女性教員をはじめ、監察医、駐在員など、長年こちらで勤務をされていた方が不自然にも異動や離職で離れています。怪しさ満点…
再捜査嘆願
約4,000名が再捜査嘆願書にサインしているようですが、警察は事件性がないとして却下。
選挙結果は投票率95.33%、現村長1,976票、対抗者745票なので、逆算すると当時の都路村の人口は約2,855人です。つまり、村の人口の約1.4倍の人が疑問を持っているということになります。
考察
私の考える推測は以下の通りです。
*私の考えというだけで、追求したいわけではありませんので途中伏せ字にします
- 事件であり、他殺
- そもそも便槽には入っていない
2月23日の送別会は選挙の打ち上げだったのではないでしょうか。選挙は2月18日で終わっているので時系列としては可能性が高そうです。
その場で、菅野さんは選挙のやり方や前年暮れの福島第二原発事故による原発リスクなどの話をしたのではないでしょうか。人望の厚かった菅野さんがそのような考え方だと、今後の村の運営にリスクだと○○陣営が思ったのではないでしょうか。
翌日24日に呼び出した○○陣営の誰かと会っていた菅野さんは、屋外に上半身裸で監禁されて凍死してしまったと。
今後反原発意見が出てこないよう、見せしめとして「便槽に覗きで入り凍死した」という説にしたのではないでしょうか。これを計画していてAさんを実家に帰省させておく、警察が来る前に重機で掘り出してさらに洗浄してしまう(洗浄したことにしてしまう)、という流れです。
原発絡みもあり、村よりも大きな力も働き警察も手出しができず、と。
冒頭に記載した通り、オフィシャルには解決済みの事件なので真実が明らかになることはないでしょう。(オフィシャル情報が真実ということですからね)
せめて菅野さんが安らかに眠られていることを祈ります。
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