【第98回全国高校サッカー選手権決勝】青森山田vs静岡学園

サッカー
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冬の選手権もあっという間に決勝戦。
圧倒的な安定感を誇る王者青森山田に古豪(失礼)静岡学園が挑みます。
静岡学園は本大会でまだ無失点、どんなゲームになるか楽しみです。

2020.1.13
青森山田高等学校 2-3 静岡学園高等学校
11分:藤原優大
33分:武田英寿
45+2分:中谷颯辰
61分:加納大
85分:中谷颯辰

ゲーム

スターティングメンバー

青森山田は4-5-1のシステムで臨みます。
武田選手が前に顔を出すので、変則的な4-4-2とも見える形です。
9月のプレミアリーグ柏レイソル戦とまったく同じスタメン、ベストメンバーですね。

対する静岡学園は1アンカーの4-1-4-1。
鹿島アントラーズ入団予定の10番松村選手が右サイドに入り、
フォワードには今大会初スタメンの加納選手が入りました。

青森山田vs静岡学園 スターティングメンバー

前半

立ち上がりは青森山田ペースでゲームが進みます。
前線からの激しいプレッシャーで静岡学園は前へボールを進めることができません。
このプレスはかなり整備されていて簡単には攻略できなそうな雰囲気でした。

11分、左ハーフスペースで得たフリーキックを古宿選手が蹴り込むと、
走り込んだセンターバック藤原選手が頭で合わせて先制点をゲット!
完璧なセットプレーで青森山田があっという間に1点リード。

この後も青森山田のペースが続きます。
静岡学園は持ち前の技術で突破を狙いますが青森山田の網をかいくぐることができず、
効果的な攻めを見せることができず時間が過ぎていきます。

26分、右に左に青森山田のコーナーキックが続き、静岡学園は自陣に釘付けに。
こぼれ球がエリア内で青森山田に転がり、浦川選手が振り向きざまにボレー。
決定機でしたが枠を超えてしまい追加点ならず。

しかし33分、青森山田はカウンターで2人だけでチャンスを作ります。
左サイドから中央前方へ出したスルーパスに抜け出した武田選手、
静岡学園のゴールキーパー野知選手に倒されてペナルティキックを得ます。
野知選手は飛び出しはとても良かったのですがちょっと無理をしてしまいましたね…
このペナルティキックを武田選手が自身で決め、2-0。
ゲーム展開的にもこの2点目はとても大きなゴールとなりました。

押されていながら追加点を許した静岡学園。
心が折れてもおかしくない展開でしたが、諦めずにゴールに向かいます。
前半アディショナルタイムに得たフリーキックから、ゴール前での混戦が生まれ
最後は中谷選手が蹴り込んでゴールを奪います。

前半は青森山田が2-1でリードして折り返しますが、
この終了間際の1点は大きな意味を持つゴールとなりました。

後半

後半開始から静岡学園はアンカー藤田選手を下げて草柳選手を投入します。
これで4-4-2のようなシステムへ変更しました。

するとペースは静岡学園へ傾き始めます。
コーナーキックのチャンスに低いクロスを入れると、前に走り込んだ選手がスルーしディフェンスを引き連れると、
後ろでフリーになった選手がシュートを狙います。
決定機ながら決めきることはできず。

61分、交代で入った草柳選手が左サイドからドリブルで中央へ切り込み、トップの加納選手へボールを当てます。
ディフェンスを背負ったまま受けた加納選手は反転して強引に前へ。
そのまま左足を振り抜くと、逆サイドネッドにボールを突き刺し、ついに同点に追いつきました。
まさにスーパーゴールでした。

さらに65分、コーナーキックからのカウンターでゴール前に迫る静岡学園、
一気に逆転ゴールを狙うものの数的優位を活かせずシュートまでいけず。
勢いは完全に静岡学園になりました。

69分、ゲームには直接関係ありませんが、個人的に声を出してしまったプレーが出ました。
武田選手がドリブルで突破を仕掛けたところ、浅倉選手がスライディングで綺麗にボールを奪い、カウンターへ持ち込みました。
素晴らしかったです。

ただ、百戦錬磨の青森山田も黙ってこの展開を見ているわけではなく、
得能選手・安斎選手を次々に投入し、ペースを引き戻しにかかりました。

すると78分、左サイド深くからグラウンダーのクロスを入れた青森山田、
ニアで選手が潰れたため、ゴール前で安斎選手がフリーでシュート。
ここは中谷選手が体を投げ出し、何とかブロックしました。

85分、静岡学園が左サイドでフリーキックを得ます。
ファーサイドへ蹴り込んだボールはフリーの中谷選手へ。
頭で合わせたボールはゴールに吸い込まれ、ついに静岡学園が逆転に成功!

青森山田は山田選手のロングスローからゴール前に迫りますが、
野知選手が立ちはだかり、得点を許しません。

このまま静岡学園が逃げ切り、優勝を勝ち取りました!

まとめ

かなりハイレベルな決勝戦となりました。
前半頭の展開からこの結果を想像できた人は少なかったのではないでしょうか。
それを信じていた人は静岡学園の選手やスタッフ、サポーターでしょうね。
静岡学園は素晴らしい個人技で青森山田のディフェンスを切り裂き、
ゴールまで奪いました。
24年前の鹿児島実業との両校優勝以来、初の単独優勝を勝ち取りました。
静岡学園に関するみなさん、おめでとうございます。

対する青森山田ですが、素晴らしいパフォーマンスでした。
一発勝負のトーナメントではこういう試合もあるでしょう。
そんな中、しっかり決勝まで駒を進め、そこでも王者の貫禄を見せてくれました。
しっかり休んで、次のステージでの活躍を期待したいと思います。

それにしてもやっぱりサッカーは面白いですね。
1点でガラッと空気が変わってしまう。わかっていてもその勢いを止められない。
今季青森山田はプレミアリーグで優勝しています。
対する静岡学園は2部のプリンスリーグの東海地区で準優勝、トップリーグのプレミアリーグ昇格を逃しています。
そんな両チームの立場は関係なく結果が出るわけですから、面白く怖いスポーツです。

Jリーグや大学でサッカーを続ける選手、サッカーを辞める選手と進路はいろいろだと思いますが、両チームの皆さんの将来が明るいものになりますように。
また来年の選手権を楽しみにしたいと思います。

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